運賃を上げてでも安全を
新幹線の防音壁が落下していたのが見つかって、大変な騒ぎになっている。今回は田舎で起こったから大した被害はなかったようだが、これが大阪や東京で起きたら大事故になってたかもわからない。
「民」営化して20年が経ち、あちこちで設備の老朽化が目立っている。毎年、自治体から多額の金もらいながら、エレベーターやエスカレーター、ショッピングモールのような目立つが地元民には何のメリットもない施設ばかり建造して、安全面は二の次になっているような気がしてならない。
郵政「民」営化が完成するまでは「民間は効率的である」ことを無理にでも示さなければならないため、運賃を上げるわけにもいかず、実質値上げのグリーン車もやってみたが思うようには収益があがらず、安全対策がどうしてもおろそかになりがちだ。事故が起きる度に職員のモラルの問題にすり替えてきた報道や政治が、問題解決を困難にしている。
政治も企業経営も、目に見えない地道な努力をいつも軽くみている。単なるパフォーマンスにはいくらでも金をかけるが、地味だが最低限これだけは確保しておかなければならないことについては「意識改革」つまりタダで済まそうとするのが常である。